物置は、庭に置くだけの簡単な買い物に見えます。でも一級建築士の立場から見ると、物置も立派な「小さな建物」です。
サイズや色を決める前に、敷地のことを少し確かめておくと、あとから困ることが減ります。この記事では、物置を置く前に私たちが確認している5つのことをまとめました。
1. 確認申請が必要か
屋根と壁があり、土地に固定された物置は、一般に建築基準法の「建築物」として扱われます。
防火地域・準防火地域の外で、床面積10㎡以内の増築であれば、確認申請が要らない場合があります。ただし、申請が要らなくても、建築基準法を守らなくてよいわけではありません。
はじめて敷地に建てる場合など、条件によって扱いが変わります。迷ったら、市区町村の建築の窓口で確かめるのが確実です。
2. 建ぺい率に余裕があるか
建ぺい率は、敷地の広さに対して、建物を建てられる面積の割合です。家を建てたときに上限まで使っていると、物置を足す余裕がないことがあります。
家の図面や確認済証が残っていれば、まず建築面積を見てください。物置の面積も、建築面積に入ることがあります。
3. 防火の地域に入っていないか
防火地域・準防火地域・22条区域では、物置にも対策が必要になる場合があります。同じ物置でも、置く場所によって必要な工事が変わります。
22条区域については、こちらの記事でくわしく説明しています。
4. 風と雪に耐えられる場所か
物置は軽い建物なので、風の影響を受けやすいです。特に、建物の間を風が抜ける場所や、周りに何もない開けた場所では注意が必要です。
雪の多い地域では、屋根に積もる雪の重さや、家の屋根から落ちてくる雪も考えます。風への備えは耐風対策ガイドにまとめています。
5. 基礎・水はけ・境界
物置が長持ちするかどうかは、足元で決まります。地面が水平でないと、扉の開け閉めに影響します。雨水がたまる場所では、床や下まわりも傷みやすくなります。
境界との距離も大切です。民法には、建物は境界線から50cm以上離すという決まりがあります。屋根の雨水が隣の敷地へ落ちないかも、あわせて確かめておきましょう。
番外:車やバイクを入れるなら、内装制限も
見た目が同じでも、何を入れるかで建物の用途は変わります。車やバイクを保管する自動車車庫は、内装制限の対象になる場合があります。
その場合は、壁や天井を石膏ボードなどの準不燃材料で仕上げる工事が必要です。物置として建てたあとで車庫に使うときも、内装の工事や手続きが必要になることがあります。
はじめから使い方を決めておくと、あとからの工事を減らせます。くわしくはガレージと物置の内装制限の記事をご覧ください。
迷ったら、置く前に相談を
物置は、置いたあとに動かすのが大変です。だからこそ、買う前の確認がいちばんの節約になります。
イープランは一級建築士事務所です。敷地のことで分からないことがあれば、お気軽にご相談ください。